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第49回 Gmailの衝撃
 

 

●ネットの検索といえばGoogle

  とにかく、ネット上の検索といえばGoogle、という時代になってしまいました。同社の株価はうなぎのぼりで、なかなか地に落ちてきません。その豊富な資金を使って、彼らは好きなことをしているように見えます。そんなGoogleがメールシステムを始めました。(なお、Gmailはまだベータ版です。)

●Gmailの容量は2.3GB

  友人に紹介してもらって、Gmailを使い始めました。この仕組みは簡単に言えばWebでメールをやりとりする、「Webメール」システムです。Webメールのシステムを作ると、一番大きな問題になるのは、やはり「容量」です。つまり、Webの仕組みも、メールを蓄積して転送する仕組みも、サーバ側にあるわけですから、特に不特定多数にこのシステムを供給する、という場合は、ディスクの容量が、使う人数に比べて足りない、ということ問題が出てくることが十分に考えられます。
  しかし、Googleのすごいところは、このシステムで1アカウントあたりが使える容量を、2.3GBとしたことです。100万人がこのシステムを使うと、Googleが用意しなければならないディスク容量は、...と考えると、気が遠くなってきます。

●SPAMメールの自動削除

  さらに、GmailはSPAMメールの自動削除機能や、転送の機能などが充実しています。また、米国では日本と違って携帯電話のメールがあまり使われていないので、そのあたりの機能はまだ貧弱ですが、POPサーバとして自分あてのメールが蓄積でき、それを外部のPCにネット経由でフィードできたり、あるいは他からの転送を受け入れたりできるわけですから、たとえば、自分あてに来たメールを一度全部Gmailに持っていき、そのメールをさらに転送して自分のもう1つの他のメールアカウントに転送すると、SPAM対策ができてしまう、というわけです。

●小額決済システム

  また、Googleはいよいよ、小額決済システムに手を出すようです。これができれば、GoogleもAmazon.comなどと並ぶことになります。
  どこかでどなたかが、「いよいよGoolgeの帝国が出現する」と言っていますが、あながち外れてはいないように見えます。

●そしてGmailの向こう側に見えるもの

  Gmailも、こんな破綻必至の容量でなぜこんな面倒なサービスを始めたのか?ということには、開発者として私は非常に興味があります。私の想像ですが、Googleはこのさき、「巨大ストレージ」の出現を、自分たちの仕事として課したように思えます。前にもこのコラムで書きましたが、IT時代の次の巨大でかつシンプルなトピックは「容量」であり、その行く末はネットワークでサポートされるストレージだからです。

●興隆するGoogleと没落したAT&T

  そして、Googleはこういうことを始めた以上、おそらく世界中の誰よりも早く、その問題に対する具体的な答えを、既に考えているのだと思います。
  先日、米国の巨大電話会社、AT&Tが実質上、独立した会社としての命を終えた、というひっそりとした報道がありました。いまは既に電話ではなく、ネットの時代なのだ、ということをひしひしと感じる事件でした。

●巨大ストレージ社会の勝者を目指して

  現在、ネットワーク上に展開するはずの巨大ストレージについて、日本ではあまりお話を聞きません。強いて言えば、阪大系の「バイオグリッド協議会」くらいです。しかしながら、このストレージの問題に具体的な答えを出す企業こそが、次のネットの時代の覇者となることは確実です。そして、GmailはGoogleにとって、あくまでその時代を他に先駆けて、つかむための道具の1つにすぎないのではないか、と、私は思っています。

 

 
     
   
  ※ここでは、このコラムの著者三田典玄氏が撮影された写真の中から、著者選りすぐりの作品を毎回数点ずつ掲載しています。