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  ネット・プラスα  
   
 
写真 <筆者紹介>
三田 典玄 (みた のりひろ)
ITシステムプランナー、ITコラムニスト
独立行政法人 産業技術総合研究所 特別研究員
主な著書は「新版:入門C言語実習C言語応用C言語」(オーム社)等多数。
最新刊「qmail完全解説」(九天社) も好評発売中。
主業務は大規模・研究開発型システム開発の実績多数。
インターネット実務検定協会 理事
BLOG-三田典玄の・電網解説-共同通信社のチャンネルK・「電網解説」に連携した個人のblogも連載中。
 
 
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第74回 韓国の無線LAN事情
 

 

  この半年ばかり、韓国に行くことが減ったのだが、先日、久しぶりにソウルを訪れた。オーマイニュース社主催の、「国際市民記者フォーラム」に出席するためだ。今回は日本のオーマイニュース社の招待でお伺いすることになった。

  ソウルの中心街にあるプレスセンタービル19階の会議室で、そのフォーラムは2007年7月28、29日の両日行われた。もちろん、必要があったのでノートPCを持っていくことになった。そのフォーラムそのものの取材、そして、発表のための原稿もこのPCの中に入っている。

  もちろん、PCを持っていくだけではなく、東京と連絡をとるためにインターネット接続も必要なのだが、ホテルでは有料のインターネット接続環境を使うことができる。24時間使って、おおよそ2千円ほどかかる。しかし、そこは都会の真ん中のこと、無線LANの接続ポイントがあるだろうと踏んでいたのだが、調べたらたしかにあった。ホテルの部屋も15階なので、かなり見通しもいい。

  完全にフリーで使える、暗号化もされていないアクセスポイントは2箇所みつかった。つなげてみれば、インターネットが使えた。

  しかし、ソウルに着いた翌日、フォーラムを主催したオーマイニュース社が無線LANの新たなアカウントを用意してくれたおかげで、フォーラムの最中でも無線LANが使える環境になった。このアカウントは「NESPOT」と呼ばれる韓国の電話会社大手「KT telecom」社のサービスのアカウントで、韓国国内で、なんと20万を超えるホットスポットを運営している。一社のサービスしている無線LAN環境としては、日本のNTTをはるかに超える数だ。実際、使ってみればソウル市内、空港、駅など、NESPOTが使えないところを探すのに苦労するくらい、広まっている。

  また、今回の国際会議でも、NESPOTの係員が電波のつながりがよくなるように、会議場にNESPOTのアクセスポイントを持ってきて接続していた。迅速できめの細かいサービスで、どこでも無線LANが使えるようにしているのだ。

  日本でもNTTやその関係会社などが公衆無線LANのサービスを始めたり、スペインのFONという公衆無線LANサービスがやってきたりしたが、ここまで多くのインフラを抱えるサービスはいまだにない。昼休みにスターバックスでコーヒーを飲みながら、あるいはどこかで昼食をとりながら。仕事をしながら、と、あらゆる場面でこのNESPOTがつながる、という便利さは、やはりなにものにも代えがたい。

  また、電話会社のサービスらしく、これらのインフラを使ったIP電話のサービスが充実しているだけではなく、PDA端末やKT telecom社の携帯電話にも、これらのインフラを使ってデータ通信ができる機能をつけている。とんでもなく広く、強力なサービスであることがわかる。

  いまだに日本ではここまで規模の大きな無線LANサービスはない。まさに、日本のビジネスマンの通信環境は韓国に一歩も二歩も遅れをとっている、と言っていいだろう。

  いまやノートPCがなければ仕事もままならない時代になった以上、日本の大都市でもこのような大規模な無線LANサービスを行うところが早く出てこないだろうか?と期待しているのは、私だけではあるまい。

 

 
 
     
  Mita's Gallery  
  ※ここでは、このコラムの著者三田典玄氏が撮影された写真の中から、著者選りすぐりの作品を掲載しています。  
 

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