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第73回 ネット・トラブルの対処
 

 

●ネットの暴言

  このページを見ている方の多くは、インターネットの掲示板をはじめ、さまざまなネットメディアを少しずつでも使っている方が大変に多いと思います。インターネットは双方向でメッセージのやりとりができるので、便利この上ないインフラですが、一方でその便利さがあるがゆえに、大きな問題も抱えてきました。

  最近、テレビでも特集番組が組まれるほど問題になっているのが「匿名発言による誹謗中傷」の問題です。実は、私も多くの書籍を書いていたり、人前で話すことがとても多いので、これらの「暴言」に晒されることが、やはり少なくありません。ネットでの自分の意見を言う場所は、ブログ、掲示板、と増えてきたものの、これらの「暴言」に会って、発言するのをやめてしまった、という方も多くいると思われます。

  mixiなどのSNSの仕組みでは、発言者が自分の情報をちゃんと書かないといけない、というように「匿名」を防止する仕組みが用意されていますが、その実際の運営は登録者・発言者本人に任されており、偽名などでの登録も可能となっているので、実際には匿名となんら変らない、というのが現状と言って良いでしょう。

●頻繁に発生するトラブル

  あなたがちゃんと実名を出していても、それが本当の情報であるかどうか?は、その情報を受ける人が判断するしかありません。また、他の方の情報を見る場合も、同じことが言えます。

  そして、結果として「見ず知らずの人」が、あなたの意見に異を唱え、感情的になり、あらぬ暴言をあなたに浴びせ、それを掲示板などの「公共の場」で、大衆の目前に晒す、という事件が、いま、ネットでは大変に多くなっています。ネットで多くの発言をいしている人であれば、いまや一度は会ったことがあるトラブルといえます。

  しかし、そういう暴言を吐く人が「匿名」「偽名」のために、その人を特定できない。名誉毀損となるようなことがあったとしても、その人間が特定できなければ、訴えることはできても、問題の解決がつかない。いま、そういう「ネット・トラブル」が非常に多くなってきています。

  言うほうは、まさに言いっぱなしで責任がありません。うそでもなんでも、発言してきます。ですが、本名を出しているあなたは、それに対抗することができない、という状況が出てきてしまうこともしばしばあります。

●トラブルに会ったときの対処法

  そこで、こういった問題にあたった場合の対処を考えてみましょう。

  まず、一番簡単な対処方法は「無視する」ということです。おそらく、現在行われているこれらの暴言への対処方法のうち、一番多く行われている方法と思います。実際、暴言を発する側は自分が匿名である前提で暴言を吐くため、その言動自身が既に責任のあるものではありません。ですから、まずは「無視する」というのは、正しい対処の方法といえます。あなたが総理大臣とか有名なタレントでもない限り、暴言を言う人間は無視をすればやがて「面白くない」と言って消えていきます。

●無視できない場合は

  また、どうしても無視できないメッセージである場合は、その書く内容の不当なことをちゃんと書いた上で無視する、という方法が良いでしょう。実際、こういう暴言を吐く側は、多くの人に影響を与え、あなたをなんとか攻撃しようと必死なので、いろいろな手を使って、あなたを燃え上がらせようとしています。暴言を吐く側の「ことばのテクニック」は、たしかに、それなりの影響を与えようと考えられたものといえます。

  しかし、その誘いに乗らないことが、一番大切です。弱気にならず、自信を持って、落ち着いた態度で、丁寧に対処しましょう。相手が言うことの内容には一切かかわらず、相手が「匿名の無責任」の上で言っていることの不当性を、きちんと書くだけで、その場所を見ている多くの方は、匿名ではない、攻撃されているあなたを、ちゃんと評価します。

●ネットの世界も現実の世界

  就職、進学、と大きな人生の行事がひと段落したこの時期、ネットで多くの時間を過ごすことが多くなる時期でもあります。ネットにはオークション詐欺などの金銭トラブルも非常に多くなっていますが、このような「言論トラブル」も最近はそれ以上に増えています。

  いつでも「冷静に」対処することが、やはりこれらのトラブルにあたって、非常に大切なことになります。これらのトラブルで心身ともに疲れ果てて、ネットそのものをやめてしまう、という方も多く見ますが、それではせっかく手に入れた「人生を拡大するツール」がもったいない。是非、これらのトラブルを克服して、ネットライフを充実させてください。

  ネットも現実の社会の一部である以上、暗い人も、おかしな人も、多くいるところになりました。決して「夢の世界」ではないのですから。

 

 
     
   
  ※ここでは、このコラムの著者三田典玄氏が撮影された写真の中から、著者選りすぐりの作品を毎回数点ずつ掲載しています。  
 

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