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第39回 ソーシャルネットワーキング
 

 

●ソーシャルネットワーキングシステムとは

  最近、ソーシャルネットワーキングのシステム(SNS)が流行しています。
  掲示板、メールメッセージ、自分の意見や好みが主張できるprofileシステムなど、多くのいままであった個人向けコミュニケーションシステムが統合されたものです。

  しかしながら、他のシステムとこのSNSが違うのは、そこに「入る」ためには、他のメンバーの勧誘が必須だ、ということです。つまり、仲間に入りたくても、内部からの紹介がないと入れない、ということになります。いきおい、時と場合によっては、その「仲間であること」そのものがステータスみたいになってしまうこともあります。

●どこが違うのか?

  もともと、システムそのものは技術的に目新しいものではないのに、なぜかこのSNSだけはかなり流行しています。

  なぜでしょうか?すでに日本の最大手であるmixiは25万人の会員がいますし、米国の最初のSNSであるorkutは、150万人以上の会員がいます。
  会員が会員をよぶ、というのは、どこかねずみ講(マルチレベルマーケティング - MLM)に似たところがあります。ちょっといかがわしい感じがありますが、いかがわしくないのは、お金がからまない、すべて無料のものだ、ということです。もっとも、最近はこれでどのように商売にするか、ということが一部で議論されてきてはいます。

●どう使うのか?

  かく言う私も、SNSをよく使ってメッセージを送りあったりすることが多くなりました。メールがすでにあるのに、この方法を使うのは、要するに面白いからです。いろいろなシステムとの連携が図られているため、全体として「使っていて楽しい」というシステムになっているところが、この仕組みのミソです。

●コミュニケーションは最後のエンターティンメント

  現代に生きる私たちのまわりには、ゲームとか映画、テレビなどいろいろなエンターティンメントがあります。そのエンターティンメントが行き着く先は、どんなエンターティンメントもつまらなくなってしまう、と言う境地です。
  そこにある「最後のエンターティンメント」はいったいなんでしょうか?派手なアクションの映画とか、どこにもありえないようなラブストーリーはもう聞き飽きていますから、おそらく、最後に残るエンターティンメントとは「人と人との個人的コミュニケーション」になるのではないか?というのが、私が10年以上前に考えたことでした。
  そして、SNSはその「最後のエンターティンメント」のかたちに非常に近いものだったのではないか、と思っています。

  要するに、ゲームなどの仕組みや映画、テレビ、スポーツなどもみんなそろそろ飽きてきつつある。なにもかも慣れすぎて面白くなくなってしまった時代の「本当に」面白いエンターティンメントとは、つまり、個人と個人のコミュニケーションである、ということではないかとわたしは思います。

  これからの人と人をつなぐシステムには、必ずこの視点が必要になる、と私は考えています。

 

 

 

 

 
     
   
  ※ここでは、このコラムの著者三田典玄氏が撮影された写真の中から、著者選りすぐりの作品を毎回数点ずつ掲載しています。  
 


めじろ


白梅