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第38回 中国麻薬組織型企業のすすめ
 

 

●犯罪組織のIT技術利用

  ところで、新聞を見ると、中国の麻薬組織について、以下のような記述がありました。

  「暴力団のような組織や公然の事務所などは持たず、メンバーや活動の実態は不明な点も多い。」

  そして、組織の内部の通信は当然インターネットなどを通して、国をまたいで行われていることは言うまでもありません。さらに、お金の決済なども、インターネットを通したネット銀行などを通じて行われているらしい

  そういえばもうほとんどの方の記憶はうすれかかっていると思うけれども、あの「オウム真理教」も、ネットやIT技術を最大限に使っていました。RSA暗号をメンバー表などの重要な情報が入ったファイルの保存に使っていたし、各拠点は、当時月額が数十万円から数百万円したはずのデジタル専用線で結ばれていました
  彼らはパソコンの製造販売をしている、という程度の技術ではなく、このような技術も駆使して、教団の維持拡大をしていたのです。まだインターネットという言葉が一般的になりはじめた最初、1990年代の中ごろの話です。

●犯罪組織のネット利用に学ぶ

  犯罪そのものを学ぶ必要はもちろんありませんが、犯罪組織の使っているこれらの先駆的技術の利用には、実は犯罪とは関係のない企業も学ぶところが多いのではないでしょうか?
  特に臨機応変をむねとし、世の中の動きに敏感でなければならないベンチャー企業大企業の企画開発関連部署では、必要な情報の共有や必要ではない情報の排除、そして、即時にできる通信の方法や、組織の作り方などは、参考になるところも多いように思います。

  たとえば、関連部署どうしはあくまで「機能」を持つかたまりとして見て、いつでも取替えが可能な作り方をしています。組織間の連絡はいつでも遮断、再開が容易にしてあり、なくなった部署の「取替え」が迅速にできるようになっています。なにをしたらよいか、ということが良くわかっている営業型の組織では、この組織の作り方、組織の有機的な組み合わせ方などは、非常に参考になります。

●会社はなくなる

  これだけの不況にもかかわらず、かつてのような「もの」の販売の方法ではなく、ネットの通販などの「顔の見えない」販売形態はどんどん利用の度を深めています
  また、会社内での「社員の一体感」などもあまり言われなくなってきました。古い形の組織そのものが、現代の人間のメンタリティと合わない部分が多くなってきたのだと思います。やがて「会社」は書面上の組織だけになり、経済のありかたや人と人とのつながりのありかたも変わっていくように思います。

  よく考えればわかることですが、このような世の中の変化があってこそ、本当に「自宅オフィス」とか「SOHO」という事業の形態も生きてくるのではないでしょうか?

●文章表現力を強化せよ!

  これらの変化の促進剤となったのが「ネットの利用」なのだと思います。ネットがすべてを変えていくわけではありませんが、人とお金、そしてそのベースになる「信頼感」というあやふやなものを、ネットが情報として作っていくことはできてきました。
  そして、メールにしろ、Webにしろ、その表現の核となるのは「文章」です。そういう時代が始まったのかも知れません。米国のある雑誌の記事によれば、女性を口説くには、それが最初は現実上での出会いであったにしろ、あるいはサイバー空間上の出会いであったにしろ、ネット上でのメールを駆使する能力=文章で表現するちから、が非常に大切になってきた、ということが、たいへんに強調されています。

  ネットの時代、そして、その時代の人間関係は、文章を表現する能力が大きくその人の社会的ポジションを決定する、とも言えます。文章表現を意識してトレーニングを自分にできるかどうか?それがこれからのあなたの生き残りを決めます。

 

 

 

 
     
   
  ※ここでは、このコラムの著者三田典玄氏が撮影された写真の中から、著者選りすぐりの作品を毎回数点ずつ掲載しています。  
 


羽田