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第30回 ことばの勉強とネット
 

 

  ネットで大切なもの。それは「ことば」です。

  今はいろいろな情報が氾濫しているので、ついついことばについても軽視したり、あまり大切に考えなかったりすることが多いのではないでしょうか?それでも、ネットではことばのコミュニケーションが大部分を占めている以上、ことばについて考えることは、実は大切なことです。

  今回はネット上での重要なコミュニケーション手段である「ことば」について、考えて見ましょう。

●ネットでのコミュニケーションとは言うものの

  メールや掲示板、blogなど、ネットを通じたコミュニケーションの手段はいろいろ増えてきました。しかし、その多くの「意思の伝達」は、「文字」によるものです。
  携帯電話でも最近は写真を撮ることができたり、テレビ電話を使えたりするものがありますが、こういった画像を使ったコミュニケーション手段は、文字によるコミュニケーション手段に比べて割高です。さらに、「気持ち」のような画像では伝わらないことも、文字では伝えることができます。

  結果として、文字によるコミュニケーションの頻度は、ネット上ではあがっていく、ということになります。であれば、ネット上で大切なコミュニケーションの手段として、ことばは非常に大切なもの、ということができます。

●「ことば」をもう一度考えてみよう

  こういった文字によるコミュニケーションの大切さを突き詰めていくと、自分の言いたいことを文章にして相手に伝えることができるかどうか、という文章表現能力の問題に突き当たります。
  最近のblogなどの文章を見ていると、こういった能力の差が歴然としていて、能力の高い人はやはりネット上での「場」を多く与えられるけれども、能力の低い人は黙ってしまう、ということがあるように思います。

  しかしながら、この「能力」は学習して高めていくことができるものですから、黙ってしまう人も、学習次第で能力を高めることができます。また、ものごとを「ことばで考える」という癖がついている人は感情的になりにくく、論理的な思考ができるため、失敗が少ない、ということもある、と言われています。つまり、ことばが自分を創っていく、という面もあるのです。

●ことばには2種類ある

  ことばや文章には実は2種類あります。
  1つは、「自分の言いたいことを他人に伝えることば」です。そしてもう1つが「自分を慰めることば」です。後者のことばは、あまり多く語られることはありませんが、要するに、自分で考えていることを、一度ことばにして自分の中から出してみて、それを自分自身が読み、自分の考えていることや感じていることを確認する、ということばです。実は、前者のことばが非常に説得力を持つ人は、常に後者の「自分をなぐさめることば」を多く持っていて、そこでの「トレーニング」ができている、ということが多いようです。

  ですから、もしビジネスであれ、友人とのコミュニケーションであれ、自分のことばをもっと洗練されたものにしたい、と考えているのであれば、自分の思っていることを、それが誰に読まれることがなくとも、ことばで表現してみる、それを自分で読んでみる、ということをおすすめします。これは簡単な訓練ですが、非常に有効な訓練です。

●自分のことば、他人のことば

  「自分のことば」のトレーニングがされると、他の人が言いたいことや言いたくて言えないでいることもだんだんとそのより深いところがわかるようになってきます
  きめ細やかなことばでのコミュニケーションも、こういった「訓練」で生まれてくるものなのです。なぜならば、ことばという表現手段は、もともと人間が生まれつきもっているものではなくて、後天的に身に付けていくものだからです。
  そして、こういった訓練がちゃんとされていると、自分のことばで物事を語る、という「姿勢」がてきてきます。つまり、ことばを使って自分の頭で考えて、自分の頭で納得してから他人に話す、という回路ができあがるため、最近よく聞くことばで言えば「コミュニケーションスキルがあがる」ということになります。いつまでもこのトレーニングを意識していないと、いつまでたっても、説得力のないことばだけでコミュニケーションをとる、ということになります。

●ことばは難しい技術ではない

  最近のネットで多く見られる「誤解」は、ほとんどが、この「ことば」の軽視によるもののように、私には思えます。ことばについての技術のみを語っていたり、ことばについてあまり深く考えていないことによって、結局は自分自身を見失うことも多いのではないでしょうか?
  私たちが日常的に使っているこの「ことば」について、いま一度、きちんと考えてみてはいかがでしょうか?そして、なによりも自分のために、自分のことばを自分で作り、自分に対して語りかけてみてはいかがでしょう。その訓練は、自分自身を知る手がかりとなるばかりでなく、さまざまな場で交わされるコミュニケーションにも、大変に有効に働くはずです。

  ネットの時代、とは、実は「ことばの時代」のことなのです。

 

 

 
     
   
  ※ここでは、このコラムの著者三田典玄氏が撮影された写真の中から、著者選りすぐりの作品を毎回数点ずつ掲載しています。  
 


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