◎最初のPDA

　私は長年PDA(いわゆる電子手帳)を使ってきました。SHARPのZaurusが「Zaurus」という名前を付けられる前に「PV-F1」という機種を発表したときからです。

　実は既に絶版になっていますが「PV-F1活用法(インプレス刊)」というのもありました。この本はおそらく日本で最初のPDAの書籍だと思いますが、この本を会社で書くことになり、少し触ってみた、というのが最初です。
　当時の値段は\128,000-という、今ならデスクトップのPCが2台くらい買える値段でした。実際、それは値段が高すぎてあまり売れませんでしたが、始めての手書き文字認識を備えるなど、大変に革新的なPDAでした。その後継機種である「PI-3000」は、「Zaurus」という愛称で呼ばれ、またテレビでコマーシャルも流れたため、大変によく売れました。値段もPV-F1のちょうど半分くらいでした。

　これが日本のPDAの歴史に、PDAを大衆に認知させた最初でしょう。私が最初に本格的にPDAを使い始めたのも、このPI-3000でした。

◎PCに飽きたらPDA

　PDAがだんだん認知されるようになると、外国勢もいろいろ出てきました。最近の話題はPalmOSを搭載したSONYのCLIEでしょうか？また、Palm自身も、いろいろと新しい機種を出しています。

　もちろん、PDAの日本での老舗、SHARPもZaurusにLinuxを搭載した機種が出ているなど、どれを選んだらよいか迷うばかりです。このコラムのお隣にある「パソネタ３分クッキング」の今泉大輔氏も、PDAにはまっているようですが、たしかにPCとは違う「個性」が感じられる商品なので、PCに飽きた方にはとても新鮮に思えるかも知れません。

◎PDAはどういうとき便利か？

　PDAは街角で、駅のホームで、立ったまま、片手に他のものをひっかけつつ、使うことができます。PCではほとんどこういうことができません。もちろん、満員電車で立っているときも使うことができます。
　つまり、PCを取り出す、という大げさな動作をせずに、メールの読み書きなどができます。最近は携帯電話のEメールも使う事が多くなりましたが、これですと文字数が限られるだけではなく、ビジネスで使われることの多いWordやExcelなどの添付ファイルを読むことができません。かといってPCにすると、値段が高いだけではなく、柄が大きいため、駅のホームですと通常はベンチに座らないと開くことができません。つまり、携帯電話では役不足、PCでは大きすぎる、という用途に、PDAは最適です。

　現在ではほとんどのPDAが、受信したメールのWordやExcelの添付ファイルを読むことができます。

◎最近のPDAの機能

　最初にPalmのPDAが出てきたときは、通信機能がなく、これ一台ではメールをサーバに読みに行くことができませんでした。PCと接続して、PCに来たメールを読むとか、PCに書いたメールを送って、これをPCから送信していたものです。
　対してZaurusは、パソコン通信の時代から、これ一台でメールを読み書きし、送受信までできました。そのため、私はよくZaurusを使っていました。その関係で、いまもZaurusを良く使っています。同じ会社の新旧の機種どうしだと、古いデータを読んで、新らしい機種に入れる、などということも簡単にできるので、データの継続性という部分でも、かなり得をした気分になります。

　また、最近のPDAではMP3プレーヤをはじめ、「遊び」の機能が満載です。メールの他に、必要であれば、ブラウザも使えます。

◎それにしてもEメール

　しかし、やはりこの種のPDAに私が望む機能はやはりEメールです。

　PDAは小さいのでどこでも気軽に取り出してメールを見ることができ、携帯電話のように中途半端ではありません。文字の入力も携帯電話よりはるかにしやすいのです。「携帯電話のご使用はお控えください」という電車の中のアナウンスも関係ありません(ということはもちろんないと思いますが - 冗談です -)。

　私はメールを読み書きするときの通信手段には、つなぎ放題で一定月額料金のPHSの無線カードを使っていますが、これは日本国内のどこでも使えるので、非常に重宝しています。既に携帯電話は通話でしか使わなくなってきています。
　 これとPDAの組み合わせは、メールとWebくらいしかしない、という方には、PCもいらなくなるほどの組み合わせかも知れません。 PCだけではなく、PDAでもインターネットをしてみましょう。もちろんPDAであれば、現状ではウィルスにもワームにも悩まされることは一切ありません。