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第10回 ネットワーク技術者を目指せ!?
 

 

 

◎ネットワーク技術者とは?

最近は「ネットワーク技術者」を目指す人が増えています。さらに、一部の専門学校や大学では、「ネットワーク技術」を売り物にした講座もできていて、なんだか「高級な技術」というように見えます。

たしかにネットワーク技術者は給料がいい、いろいろなものを統合する役割なので、いろいろなものが見えやすい位置にいる、ということは、ほんのちょとだけ、真実が含まれています。

実は「ネットワーク技術」という技術分野は明確にはありません。ネットワーク機器を製造している世界的に有名な会社に「シスコ社」があります。ここのネットワーク技術者認定試験は、同社のネットワーク機器を使ったとき、それをどのようにチューニングするか、というノウハウや、その基礎になる技術を覚えるには、同社の認定試験はかなり有用と言えます。

ただし、一企業がやっているものですから、他の企業のハードウエアに乗り換えたとき、その知識でやっていけるか、というと、当然ですが100%同じ知識ではまずいことがあります。

◎ネットワーク技術者のほんとうの素性

実は、現在バリバリのネットワーク技術者、それもかなりの給与を取っている人は、ネットワーク以外の知識も豊富であることがふつうです。

たとえば、なにかの故障があったとき、そのトラブルをすぐに言い当てることができる、あるいは、すぐになにをしたらよいか、ということが頭に浮かぶ、という高いレベルのネットワーク技術者はなにもネットワークだけではなく、ハードウエアのごく些細な技術知識まで豊富であることが大変に多いのです。

そういうご本人に聞いてみると、もともとメーカーでモデムを作っていた、とか、ソフトハウスでプログラムを組んでいた、という方が大変に多いのです。つまり、その彼にとって、ネットワーク技術というのは、彼の持つ多くのIT関連技術の1つにすぎない、ということが非常に多いのです。これは、私自身もそうです。

◎ネットワーク技術はない

現実の問題として、機器メーカーは、ネットワーク機器を作っているところであれば、自社の製品を売り込みたいわけですから、自社の製品が使えるようになる技術者が増えてほしい、と願っています。ですから、自社の製品を使える技術を、技術者に覚えて欲しい、という意図ももあり、これらの機器の設定を「ネットワーク技術」というなにかほかとは違うカテゴリのものとしたい、という意図は大変によくわかります。

しかし、実際に「ネットワーク技術」なる技術分野は、本来の技術分野としては違う意味を持ちます。

たとえば、分野を違えて、私が現在足をつっこんでいるバイオの分野ですと、ネットワークというのは、「ものとものの関係性」を表現するときに使う用語であって、具体的なものというよりも、もっと抽象的な意味で使われます。また、ITのすぐお隣の電話という分野では「ネットワーク」が専用線のことを表現していることもあります。

こう見て見ると、IT分野で通常言われる「ネットワーク」ということばは、広い意味では「データ通信ネットワーク」、狭い意味では「TCP/IPにおけるデータ通信ネットワーク」ということになるかと思います。

◎IT技術とは?

もともと、IT(Information Technology)とは「情報データ通信」技術と「コンピュータ」技術が一つとして認識されたものに、適当な用語がなかったため、比較的新しく作られた用語です。

つまり、もとは「通信技術」と「コンピュータ技術」は別のものであった、ということです。そのため、通信技術の用語とコンピュータ技術の用語が一致しない、ということもあり、この両方を知る技術者も大変に少ないため、実は貴重な存在でした。

しかし、ここ5年ほどのインターネットの爆発的な普及により、「IT」という用語が作られ、あたかもITという新しい分野ができたかのような状況が作られました。ということで、ちょっと古いこの手の技術者は2つの分野をかけもちしていたわけです。ですから、多くの知識があって当たり前、ということになります。

◎就職のために

そこで、IT技術、ネットワーク技術、というと、いかにもそういう分野があるように思われ、そしてそれらの技術者がいる、というように勘違いされる方も多いかと思いますが、実態はこのようなものなのです。

そして就職するときに大切なことは、面接官の多くの方がこのことをよく知っているはずだ、ということです。

たかだか数年前までは「IT」とか「ネットワーク技術」という用語がなかったわけですから、そういう時代を知っている面接官にとっては、これらの用語は「新しい=底が浅い」という印象を持たざるを得ない用語でもある、ということです。

「私はXXに興味がある」ということを言うのに「ネットワーク技術(者)」に興味がある、というと、面接官の多くは「こいつ、興味はあっても内容はよく知らないね。本当に興味のあるのはネットワークじゃなくてカネだけかな?」と思われているかもしれない、ということです。

これはそういうわけで良い印象を与えません。そこで、もっと話を具体的にして「なぜインターネットのようなものができたのか?興味を持った」とか「なぜ、インターネットが動くのか、実地で現場でやってみたかった」と言うような言い方が、大変に好い印象をもたれます。できれば、その技術を習得するために、こういった本を読んだ、という経験があれば、それを言うのも良いと思います。

◎技術の世界は曖昧さを嫌う

もともと、技術の世界は曖昧さを嫌います

人格も考え方も曖昧、という人は嫌われます。そして、使い慣れない、中身のよくわからない用語をしゃべると、すぐに突っ込まれて、ボロが出ますし、その言葉をわかって使っているか、ということは、実は聞いた瞬間にあいてにわかるものです。

包み隠さず「興味があるが、まだ勉強が足りない」ということを告白する人を、技術系の面接官は選びます。すでに職歴があって経験がある人の転職であればいざ知らず、仕事は会社に入ってから覚えるものですから、入るときは知らなくて当然です。

しっかり勉強しておき、かつ、うそつきにならないよう、できないことはできない、とはっきり言うことが、この手の技術系の就職面接にあっては、本当に必要なことです。 考えてみれば、どの職でも当たり前なこと、なのですが。