◎未承諾広告メール

最近はどなたにも、自分の身に覚えのない広告メールが届く、ということがよくあると思います。
表題には「未承諾広告」だとか、ときには扇情的な文句が並んでいるときもあります。ホームページなどに連絡先アドレスを書いている人は、そのアドレスには英語やどこの国のものかわからない広告メールが届くこともあるかと思います。

「特定商取引に関する法律」によれば、このように勝手に送りつけられる広告メールの表題(Subject)には「※未承諾広告※」と書かれていなければならない、という定めがあるので、通常はそのようにしているはずです。

このように表題に決まった文字列があれば、それを拒否したい人はメールソフトについている「フィルタ機能」で、着信を拒否できたり、プロバイダの着信拒否機能で同じようなことができます。

◎すりぬけテクニック

しかしながら、相手も「商売」ですから、当然のことながらこの「未承諾広告メール」をより沢山の人に読ませたいわけで、いろいろな「すり抜け」テクニックを使います。

明らかに法令違反なのは「※未承諾広告※」の表題そのものがない、というストレートなものもあります。また、最初や後の「※」を抜いて「未承諾広告※」みたいにしたものや、さらに、間に空白を入れて「※　未承諾　広告　※」みたいにしたものまで、涙ぐましい努力をしているところもあります。また、法令が日本のものなので、外国から発信する、ということもいまでは手軽にできるので、これをやっているところもあります。

いずれにしても、法律はできたけれど、ほとんど有効性がない、というのが実態です。

◎自動メールアドレス収集ツール

また、最近は英語の広告メールが届くことがあるかと思いますが、これは特にホームページを作っている人で、連絡先などのメールアドレスをホームページに書いてある人などに、この類の広告メールが届くことが多いようです。

実はちょっとしたプログラムを書くと、ネットにあるすべてのホームページ上にあるメールアドレスを収集する、ということができます。すなわち、メールアドレス収集ロボットが勝手にメールアドレスを収集しては、そのアドレスに広告メールを流す、ということをしているわけです。それも人手を介さずにこれができるわけですから、送信する方としてはこんな楽な話はありません。

◎広告メールを受け取らないようにするには

こういった自分が望んでいない広告メールを受け取らないようにしたい、という場合の処置ですが、まず、問答無用でプロバイダの「迷惑メール着信拒否サービス」を使うようにするのが良いと思います。

ご自分でメールサーバを運営されている方であればね当然着信拒否をするやり方はご存じのはずですね。最近はADSLなどの常時接続で速い線を使っている方も多いと思いますが、こういう方であれば、通信料金のことを考えなくて良いので、ご自分のメールソフトの設定で着信拒否をするのも良いかと思います。

◎絶対にしてはならないこと

広告メールに「配信の停止はこちらへ」というようなメールアドレスや、URLが書いてあるときがありますが、ここに返信したり、URLにアクセスに行く、ということは絶対にしてはいけません。

URLにアクセスしたり返信することは、相手に「広告メールを受け取りました」と意思表示しているようなものです。つまり、次の広告メールはここに送っても大丈夫だ、ということを相手に知らせているようなものです。

勝手にメールを送りつける、ということをする業者が、業者としてまともなことをしているとは到底思えません。ということは、まともなことは考えていない、ということです。ですから、正直にそこに「返信」したが最後、また沢山の広告メールを受け取ることになってしまいます。やはり、前述のようにプロバイダのサービスやメールソフトの機能で着信拒否をする、というのが正解です。

◎「スパム」の語源

迷惑な広告メールのことを通称「スパムメール」と言いますが、これは英国のコメディ番組で
「SPAM!SPAM!SPAM!」と連呼するコントから来ています。このうっとうしい連呼の様子が、迷惑な広告メールにそっくりだから、ということらしいです。

そして、ここで言っている「SPAM」というのは、塩漬けのソーセージの缶詰めの製品の名前です。米国では昔からあまり所得の高くない人の食べ物でしたが、最近では日本でも輸入食品店でときどき見かけるようになりました。沖縄ではその塩味がきついのを利用してゴーヤチャンプルーなどの料理に今でも使われています(これはうまいですよ！)。

いずれにしても(これが好きだ、という人にはもうしわけないですが)「あまり質が良くない」という意味も込めた、「SPAM」の「連呼」に、無差別に送られる広告メールが似ている、ということで、それは「スパムメール」と呼ばれるようになったのです。

◎個人情報を書かないこと

こういった望まない広告メールを受け取ることがなるべくないようにするには、これらの「メール送信業者」の名簿にメールアドレスが載らないようにすることです。

そのためには、不必要な「アンケート」などを出すときに、メールアドレスを書いたりしない、ということが必要です。また、どうしても書かなければならない場合は、無料の使い捨てのメールアドレスを取っておき、これを使う、という手もあります。

とにかく、インターネットの世界では「自分の身は自分で守る」ことが必要です。