インターネット実務検定協会 インターネット実務検定協会ロゴ
ホームに戻る 協会の概要 Q&A コラム リンク お問い合わせ サイトマップ 資料請求
 
   
  パソネタ3分クッキング  
   
     
 
第70回 ハードウエアの話
 

 

●メーカー保証の範囲

  PCはもちろん、ハードウエアです。そして、ソフトウエアがあって、はじめてハードが目的の動作をし、また、通信回線があって、はじめてインターネットが使えるようになります。なににしろ、ハードウエアは必要なのだ、ということです。

  しかし、ハードウエアは機械ですから、壊れます。水濡れなどはもちろん厳禁ですし、使用できる温度にも制限があります。しかしながら、水濡れをしたから必ず壊れる、というものでもないですし、ある温度異以上のところで使ったら、必ず動かなくなる、ということでもありません。いずれも、メーカーでの保証はここまで、という問題です。

  特に夏場はPCはその動作で非常に熱くなります。軍事用や宇宙用でも無い限り、メーカーの保証では、使用時の周囲温度は35度C以下で保証する、ということですが、そうなると、このところの38度、というような酷暑では、PCの動作は保証されない、ということになります。これはPC本体ばかりではなく、HDDなどの周辺機器でも、その使用保証温度はだいたいこのくらいになっています。

●PCが暴走するのは

  CPUやメモリなどは「半導体」という材料でできていることはご存知ですね。この「半導体(semiconductor)」は、「導体(電気を通すもの - conductor)」と、「不導体(電気を通さないもの - noncnductor)」の中間的な性質を持っている、ということで、「半導体」というように呼びます。つまり、ある条件のもとでは導体の性質を示すため、電気を通すけれども、別の条件のもとでは電気を通さない、という物質が半導体というわけです。
  一般的に、半導体を「電気を通す」状態にするには、その物体の温度を上げます。また、逆に温度を下げると、電気を通さなくなります。つまり、高温ですと、半導体はすべて導体になってしまうので、CPUなどが正常に動かなくなる、というわけです。

  そのため、PCなどは温度が上がると、まともに動かなくなります。半導体以外の部分でも、高い温度は、電子機器や機械類に良くない影響を与えることが多いことが知られています。たとえば、ゴムなどは高温で劣化が進行する、ということが知られていますし、プラスチックは、そのほとんどが高温では溶けたりやわらかくなったりして、本来の強度が出ない、ということになります。

●各種メディアの寿命

  精密機械であるHDDは、常に機械的に回転しているものであって、機械部分が常に摩擦をしている部分があり、当然のことですが、耐用年数があり、使っていれば必ず壊れます。ですから、必ず壊れることを前提にバックアップを常にとっておくべきです。通常のHDDでは、使い方にもよりますが、最長で5年、通常は3年くらい、短い場合は2年で壊れます。

  また、最近大流行の音楽を聴くための「MP3プレイヤー」や、デジタルカメラや、USB接続の一時媒体としてよく使われる「フラッシュメモリ」は、読み書き回数に制限があります。フラッシュメモリは数十万回の読み書きで、「くたびれて」きて、読み書きができなくなります。さらに、DVDとかCDも、耐用年数があり、初期の頃の音楽CDでは既にプレイヤーで聞くことができなくなっているものも、あちこちに存在します。

●壊れる前にバックアップ

  このように、機器は必ず壊れますし、メディアも永久的なものではありません。そのため、特にPCのHDDが良い例ですが、PCは必ず壊れる、ということを前提に、すべてのお仕事をPCに載せていると言えます。
  バックアップの方法などを知らずにPCを使っている、というのは、クルマを運転しているのに、交通法規を知らない、というくらい大変なことだ、ということを、やはりよく知っておく必要があるでしょう。

  20年近く前のPCでは、ハードウエアが壊れる前に、バグのあるソフトウエアがデータを壊すことや、PCを止めることが大変に多かったのですが、最近はこの傾向が逆になりました。つまり、ソフトウエアは、昔よりもはるかに良いものになっている、ということです。そして次の時代は、このハードウエアの上に載るソフトウエアやデータを、システム全体でいかに支えていくか、という時代になると考えられます。

  あなたの大切なデータ、今日はバックアップをとりましたか?

 

 

 
     
   
  ※ここでは、このコラムの著者三田典玄氏が撮影された写真の中から、著者選りすぐりの作品を毎回数点ずつ掲載しています。  
 

写真70