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 電子商取引の中でも企業間取引をインターネット上で行うB-to-Bは、過去2〜3年の間、大きな期待を集めてきたが、現在のところはあまりぱっとしない状況にある。

 多数の売り手企業と買い手企業が集まって、潜在的な顧客をマッチングさせる「eマーケットプレイス」と呼ばれる形態は、日本ですでに30近くが稼動している。しかし、そのほとんどで取引の実績がないに等しい状況にあると言う。これはアメリカでも同様で、300近いeマーケットプレイスが存在しているが、きちんとした収益が出ているものは一握りもないと言われる。

 この原因は、eマーケットプレイスに参画する企業の内部において、きちんとした準備が整っていないからだとする説がある。これはどういうことか?

 90年代前半から後半にかけて、ビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)と呼ばれる企業形態の抜本的な刷新が注目を集めた。これは、企業の内部で日常的に行われているすべての業務をいったん分解して、大規模なデータベースシステムの上に載せられるように整理し、全部をそこに載せてしまおうというものである。そして組織や人もそれに合わせて変革させてしまう。徹底的なIT化である。  これが理念としては叫ばれたのだが、現実に行った企業は非常に少ない。

 同様に、ERP(Enterprise Resource Planning)と呼ばれる大規模な統合業務ソフトの導入が93年ぐらいから始まったが、これもきちんと対応している企業は一握りに限られる。

 上の説は、こうしたBPRやERPによって、業務の隅々にまでITが入りこんでいる企業が集まらないと、eマーケットプレイスも「売り買いだけのIT化」ということになってしまい、うまく機能しないというものである。

 実際にそれが当っているかどうかは、あと2〜3年は見ないとわからないだろう。このことに気づいて今からBPRやERPに取り組む企業が出てきたとしても、うまく回り始めるまでもうしばらく時間がかかる。早過ぎる否定はよくない。