上海から東京にやってきた知り合いが実家に電話をかけるのによく、プリペイド式のコーリングカードを使っている。アクセスセンターに電話をかけ、カード裏面
に印刷されたID番号を入力すると、残高分の通話ができる仕組みになっている。中国と日本を結ぶ基幹の回線を独自に調達しているらしく、通
話料が劇的に安くなる。既存の国際電話の1/10程度になるらしい。その知人からは「ぜひ使ってみて」と言われたが、中国に電話をかける機会もあまりないし、元よりめんどくさがりなので、あまり興味が持てないでいた。
それで先日、仕事でロンドンに数日間滞在した。マーブルアーチそばのインターコンチネンタルに宿泊したのだが、ここの電話が恐ろしく高い。ホテルの電話代は実費プラスαに下がりつつあるのが国際的なトレンドだが、このホテルの場合、東京へ電話をかけると1分間7.5ポンドもチャージする。日本円で700円弱。今どき国際通
話料でふんだくるなんてどうかしている。
日常的なやりとりはメールが主体なので、客先に電話をする必要はないのだが、留守電はチェックしなければならない。これが短くて5分、長ければ10分以上もかかる。たかが留守電チェックで数千円も取られるのはたまらない。ということでプリペイド式のコーリングカードを入手せねばならないと思った。
これが便利である。ロンドン市内では数種類が入手できるが、ブリティッシュテレコムが販売しているやつだと、世界各地にアクセスセンターがあり、つまりはどの国にいても格安国際通
話のサービスが受けられる。
しかも、プリペイドとは言いながら売り切り制ではなく、再チャージができる。コールセンターに電話をかけてクレジットカード情報とチャージ額を伝えるだけでよい。
さらに感激するのが、どの国からどの国にかけても、その都度、残高から計算した通
話時間が知らされるシステムになっているという点だ。実際、通話者にとって残高がいくらかはあまり重要ではなく、その国にかけた場合に何分間話せるかが重要なのである。これを秒単位
で知らせてくれる物凄い課金システムが裏で動いていた。
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