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 ヒューレットパッカード(HP)がコンパックを250億ドルで買収することが決まった。非常に驚くべきニュースである。

 傍から見れば最近のHPははなだだ精彩を欠き、サーバー事業にしてもパソコン事業にしても"がんばってる"という感じは全然しなかった。プリンタやその他の事業にしても、他社の追い上げが激しかった、全体としての同社は中長期的な低落傾向という印象が拭えなかった。

 一方のコンパックは、パソコン事業については上位 機種でデル、中下位機種で台湾や中国などのメーカーに押されていたものの、サーバー事業は順調に拡大していたはずだし、同社の強みであるサービス(開発からサポートまで)部門もしっかりと収益を稼いでいたはずである。外部から見れば、強いのは明らかにコンパックであり、HPはそれほどでも、という感じだったのだ。

 そうしたHPがコンパックを買収する。これは本当に驚くべきことなのである。

 関連の報道では、両社ともにパソコン事業の不振が今回の決断のきっかけになっているという。パソコンが売れていないのではない。99〜2000年頃に比べれば出荷台数はさほど劇的には落ち込んでいないはずだ。ただ、利益が出ない商品になっているのである。そうした事情は、2社以外の富士通 、NECなどにも共通している。

 利益が出なくなっているのは、パソコンのほとんどの部品の生産がシンガポール、マレーシア、台湾など国から、より一層価格の安い中国へと移り、その中国の部品を使ったノーブランドに近い商品が多数市場に出回っているからである。パソコンはもはやコモディティになったと言ってよい。

 コモディティ、つまり当たり前のモノになってしまうと、消費者や市場が認める特別 の価値というのはない。価値は安さからしか生まれず、価格競争が激化する。

 おそらく、いま商品として売られているIT関連の多くのモノも、それが法人用途であれ個人用途であれ、いつかは文房具のようにコモディティ化してしまうのだろう。そうした時代に何が「価値」になるのか、いまから考えておきたいと思う。