CDというのは不思議な商品で、「それが買いたい」と思うのは、ごくごく個人的な理由があるケースに限られる。「とにかくそのミュージシャンが好きである」という
のも個人的な理由と言えるし、「どうでもいいから、その曲だけ何度も繰り返して聴
きたい」というのもそうだ。聴いたからといって腹がふくれるわけでもなければ、見
た目がカッコよくなれるわけでもない。それなのに買いたいと思う。そういう商品で
ある。
アーティスト名も曲名もわからないのに、買いたくなるケースもある。何と言うか、
その曲がぐぐっと脳にきたという場合だ。
アーティスト名も曲名もわからないのに、どうやってCDを買うのか?そのパターン
は2つある。1つは、レコード屋の店頭に赴いて、セットしてある推奨版を試聴し、よ
ければ買うというパターンである。これは「ぐぐっとくる」やつを自ら求めていくわ
けである。
もう1つが、インターネットから流れてきたのを聴き、ぐぐっときたら、そこに表示されているアーティスト名や曲名を登録し(メモはしない)、その勢いでネットの
CDショップで買ってしまうというパターンだ。こうした一連の動作がしやすい聴取環
境がインターネット上にはある。例えば、レコード会社のバージンが行っているイン
ターネットラジオのサービスでは、その時に流している曲のアルバムジャケット、アーティスト名、曲名が表示されるようになっている。ぐぐっときたら、買うアクション
が始まるまで2クリックぐらいである。
この買うというアクションに関して非常に便利なのが、今では最古参と言ってよいCDNOWだ。CDに関するデータベースが非常に充実していて、曲名の一部でもわかれば
、きちんとした曲名、それが収録されているCDのタイトルをつきとめることができる。
「わかるから買える」わけである。また、ウィッシュリストという機能があり、買い
たいと思ったCDをとりあえず登録しておくことができる。ちょっと迷って、後から買
うのに便利だ。
最近、日本のアマゾンが輸入版CDも扱うようになったが、こうした機能がないので使う気にはなれないでいる。
|